所謂日常日記
榎田信衛門「鯨のしっぽ」
本を読む、テレビを見る、
街を歩く、田舎を彷徨う、
物を喰らう・・。
日々の出来事の中で、
一瞬「海馬」に蓄積された記憶を
このページに綴っていこうと思う。

「海馬(hippocampus)」
大脳の古皮質に属する部位で、欲求・本能・自律神経または記憶に関する中枢器官。


第178回

1月16日の日常から・・

さっき、テレビで福岡を舞台にした映画『ちんちろまい』を見た。
封切時、見る機会を失っていたので今回が初見である。
噂通りのぶっとびムービーであった。

ぶっとびムービー(しかもミュージカル仕立て)ということでは、
さすがに『真田風雲録』ほどのゴージャスさは無いが、
何かしら福岡独特の勢いみたいなものは感じられた。

ところで・・
熊本人は、時として福岡を比較対象にして
自らのアイデンティティを確認しようとする。

それは殆どの場合、
《何の役に立たない下らない比較》でしかないのだが、
たかだか九州の北部と中部という近距離における強烈な格差を
真面目に論ずるのであれば、
『ちんちろまい』もひょっとして好材料になるかも知れぬという程度で
ちょいと論じてみようか。

ちなみに『ちんちろまい』は、
福岡県出身の芸能人による博多ムービーである。
※そもそも博多の定義というのも実にいい加減なのであるが・・。

中身については意見が分かれるところであろうが、
あっし的には「安物の幕の内弁当」みたいで実に落ち着かない作品であった。
妙に薄味だったり大味だったりで、見ていて疲れた。
※もっとも安物ミュージカルだけんね。

ま、これは概ね東京方面逆輸入的人材活用コンテンツだけん、
普段の福岡ローカルメディアを論ずる資料にするのはちと乱暴ではある。

あえて福岡ローカルメディア(とりわけコンテンツね)のいろいろ
に関して論ずるならば、
はっきり言うけど「全く大したことはない」・・。
百万都市を2つも抱えている県とは思えぬ「体たらく」である。

福岡ローカルメディアさんにおける制作姿勢の諸々なんてものは、
実に教科書的&参考書的であっての、
模倣以外の自発的応用なんてものは殆ど無いように思えてならぬ。
※それはKBC制作の『ドォーモ』を見ればよくわかる。

実はあっしも彼の地でいくつか番組を作ったけんども、
現場にだな、びっくりするくらい保守的な奴が多くて閉口したもんだ。
その点ではむしろ熊本の方がま〜だ革新的かもしんない。

でも、福岡が決定的に優れているところが1つある。
※これが実は田舎にしては凄いことなのであるが・・。

それは福岡人独特の『ひらきなおり』である。

普段は思いきり《保守的&真似っこしい》のくせに、
ある局面に於いて唐突にひらきなおる。

『ちんちろまい』なんてまさにその好例である。
福岡発東京流出的裏切り者を《錦の御旗》に掲げて、
とんでもない無茶苦茶を素面でやってしまう。

KBC開局50周年映画は『ROCKERS』だそうな。
陣内孝則が自らの半生を描くんだと。
いろんな意味でひらきなおってるぜ。

でもさぁ、これが熊本人に出来ない技なんだよな。
ひらきなおって無茶をすることが全く出来ない。

国体のテーマソングを森高千里に作らせることは出来ても、
「ひのっこ」と一緒にステージに立たせることが出来ない。
※「しなくても良かった!」という有力な説もある。(笑)

熊本発東京流出的裏切り者を受け入れるための土壌を耕せないという
《島国根性的な意固地さ》を半永久的に引き摺っている。
ジレンマなのかねぇ。確信犯的な臭いも感じるのだが。

とどのつまり「さあ殺せ!煮るなり焼くなり好きにしやがれ!!」
と笑い飛ばす奴が少ないってことね。
※あっしはこの部類の人間だけんど。(笑)

・・BGMは華原朋美『あきらめましょう』でお願いします。


『今日の1コマ…A』長浜海岸にてゲイラ揚げ・・。


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