第302回
  
11月18日の日常から・・ 
 
朝から病院。 
またまた血液検査。 
溶血連鎖球菌はすっかり姿を消したご様子ということで 
抗生物質とはお別れ。 
これで本当にサヨナラにしたいものだ。 
依然アレルギーっつうか抗体の値が平均値より高いので 
症状は治まらず。 
遂に『ポララミン』(今度は内服薬)が登場。 
睡眠薬並みに強烈に眠くなるという抗アレルギー薬。 
今夜、寝る前に飲むべ。 
そうそう、来てるよメッセージ。 
黒川温泉の某ホテルで起きたハンセン病の元患者の 
宿泊拒否騒動に関するもの・・。 
とりあえずヒステリックにホテル側の姿勢を糾弾する 
ものが多いようである。 
まあ確かに稚拙な対応だし、 
完治している「元」患者なんだから、 
拒否する正当性は無い。 
・・旅館業法「第5条」にはこう書いてある。  
┌────────────────────────┐ 
│営業者は、左の各号の一に該当する場合を除いては、│ 
│宿泊を拒んではならない。            │ 
└────────────────────────┘ 
 
で、左の各号っつうのは下記の3項目ね。 
┌────────────────────────┐ 
│1.宿泊しようとする者が伝染性の疾病にかかってい│ 
│  ると明らかに認められるとき。        │ 
│2.宿泊しようとする者がとばく、その他の違法行為│ 
│  又は風紀を乱す行為をする虞があると認められる│ 
│  とき。                   │ 
│3.宿泊施設に余裕がないときその他都道府県が条例│ 
│  で定める事由があるとき。          │ 
└────────────────────────┘ 
 
・・・やっぱり正当性は認められんわ。 
しかし思うんだな。 
ハンセン病の後遺症と言って良いかわからねど・・ 
独特の容貌(皮膚に特異な病変が現れるからねえ)の爺さん婆さんが 
大浴場に居たとしよう。 
俺は多分《ギョ!》とすると思う。 
《何事か!?》と動揺するかもしれん。 
でもまあすぐに「ああ、ハンセン病か・・」と納得して、 
「心配無用!・・今や本浦千代吉*のような患者は居ないんだ」 
と自分を落ち着かせるだろう。 
いつものように「こんちは!いいお湯ですね」なんて声をかける。 
そのまんま爺さん達と意気投合して酒でも飲むかもしれん。 
しかしとりあえず最初の一瞬は《ひるむ》だろうな。 
だって「慣れてねえもん!」・・。 
*…『砂の器』を見なさい! 
当然ホテル側は「元患者さんですから何も心配要りませんよ」と 
他の宿泊客にきちんと説明して回る必要がある。 
子供客への説明も大変だろうな。 
考えようによってはだ。 
温泉場でハンセン病に対する認識を高めるいいきっかけに 
なるかもしれん。 
でもなぁ・・。 
愉しいか? 
温泉場でそんな説教臭いことは誰も体験したくはなかろ。 
予めそういう事と認知した上で出かけるならまだしも、 
温泉だ〜!楽しむぞお〜!!って時に・・ 
俺はやだね。 
で、結論はこうだ。 
ハンセン病は危険な病気ではなく、 
ましてや元患者を差別するのは完全に間違いである。 
そんなお客を拒否したホテルは、法制度上問題が大きい。 
しかし、他の客に要らぬ心配をさせたくないという主張については 
私は100%否定することはできない。 
何故なら、いまだハンセン病に対する差別が堅固に残っている 
からである。 
だってつい数年前まで「国」が差別してたんだぜ。 
言ってみれば、行政自ら差別の上塗りを続けて来たわけで、 
その分厚く固着した差別意識を、 
行政主導で総力を上げて取り除くわけでなく、 
つまらぬシンポジウムや誰も読まないパンフレット、 
視聴率が限り無くゼロに近い深夜ドキュメンタリーなどで 
自己の過ちに免罪符を与えた「つもり」になっているだけではないのか? 
そのツケが今回の騒動のように思えてならない。 
今回のホテルを被害者とは思わないが、 
たかが化粧品屋が片手間にやってる宮殿でも何でもない田舎ホテルに 
ハンセン病差別史のゲタを預けてしまった行政についても 
悪口をきちんと言っておかねば、それこそ片手落ちであろう。 
何より一番の被害者は、元患者達である。 
熊本県もケチらず旅館一軒借り切ってだな。 
元患者+一緒に盛り上がってもいいよというお調子者(例えば俺)を集めて 
心置きなくエンジョイさせるくらいの度量を発揮すべし! 
この問題は、QICで改めてやる予定。 
 
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