『いまあなたが熊本でやりたい事はなんですか?』
単純な質問でしょ。 
でも、答えを出すのは相当難しいらしい。
・・・・・ホントにそう??

先日、熊本一の繁華街である、上通り/下通りでインタビュー取材をやったときのこと。 あまりに単純な質問だから、回答もめちゃめちゃ割れてしまうかも・・・、と思ってた。 が、しかしである。 いくら『どんなことでも構いません、日常的なことでも、夢みたいなことでもいいですから』と、しつこく粘ってみても、一向に答えが出てこない。 というよりも、答えそのものがないような・・・。 

一番典型的なリアクションは、『う〜ん、なんだろう・・・、別に・・・』系。 確かに、いきなりこんな質問をする方もヤバいが、みんながみんな答えに詰まってしまう原因は一体何なんだろう。 諦めてるから? 満足してるから? それともただ単に口下手なだけ??  どうも全部ハズレっぽい。

熊本という環境自体に見切りを付けている人は案外少ないと思う。なぜなら、私達がインタビューした人の中で、『熊本に未来はないから・・・』という理由で答えられなかった人は皆無だったから。 稀に、熊本なんかで何かをやろうなんて土台無理な話だ、とばかりに自虐的論争を繰り広げる人もいるけれど、そういう人達には元気でガンバってもらうとして、問題はそれ以外の人達。 

見切りは付けてないけど、期待をしてるわけでもない・・・、なんかそんな感じ。

残念だけど、熊本ってそういう鈍〜い雰囲気がいつも漂ってる。 最初からずっとそこにいてそのまんま過ごして来ちゃうと、その重い空気に慣らされてしまって感じなくなっていく。 だからいつも受動的で、いまあるものの中でしか考えられなくなってしまって・・・。 つまり熊本人のほとんどは、知らず知らずのうちに自らの個性や夢を伸ばそうとする努力の芽を摘み取られてしまってる。 そして、たまにハッと気づいて、これじゃダメだよ!と何でもいいからやり始めちゃう人がポツリポツリと現れたり消えたりしていく。
ね、それってすごく勿体無くない?
こんな偉そうなこと言っている自分も、数年前までは全く同じ感覚だった。 自分の場合、一度熊本から出たことがキッカケになって『熊本』に対する気持ちが変わったのかな。 不思議なもので、それまでは日本にある一つの県でしかなかった熊本が、『自分の生まれ育った場所、故郷』へとモデルチェンジしてしまったらしい。 これは大きかった。 熊本という街をどうやったらもっと素敵にできるだろか?なんてことを途端に思い始めていた。 要は、『オレは熊本出身だよ!』と自慢げに言いたくなっただけのこと。

動機なんて、この際どうでもいいことにしましょ。 何がキッカケだろうと気づくことが大切なんだよ。 それから先は、気づいた本人が思い通りのことをやればいいと思う。 なんか急に無責任発言だけど、別に新しいカルチャーを先導する!なんて大袈裟なものじゃなくったって、こんなことできたらなぁ・・・、っていう程度でもオッケーじゃない? まずはそこから! その後に、『じゃあ、自分だったら何ができるんだろう?』ってやっていけば、必ず見えてくるものがあるはず。 どんなに忙しくても、どんなに面倒臭がりでも、頭ん中で考えることくらい簡単にできちゃうよ。 独りひとりが違う事考えてたら、それだけアイデアがあるってことだし、そっちのほうが面白いに決まってる!

せっかくならカッコよくって、楽しい街で暮らしたいでしょ。 いますぐ行動ができなくても、チャンスがやって来たとき、それに上手く乗っかれるように準備だけはしとかない? それだけでも熊本にとって、ストレッチくらいにはなるはずだから。 ずっとぐうたらで寝転んでばっかりだったから体も最初は重いけど、余分な贅肉削ぎ落としてカッコよくなっちゃお!! 熊本人以外の人達が、『なんか熊本っていいよね』って言ってるとこ想像すると、すごくワクワクしてこない? 
とりあえずわがままに好きな事やって、変えちゃおうよ、そんな街に。

「セイフティ本田」…WEBラジオFMC番組《楽しい日本語》《清正の逆襲》他出演中。



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