熊日夕刊「ヤング欄」における自己完結型エッセイ

アメーバ捜査網・第1回「それは熊本から始まった」

1997年10月下旬執筆、11月4日掲載

(熊本日日新聞夕刊「ヤング欄」で隔週連載されたコラムです)

「波の数だけ抱きしめて」って映画知ってる?…中山美穂主演で、80年代のミニFMブームをモチーフにしたチープな青春映画…。
 そう言えば2カ月くらい前だったかな?深夜番組で香取慎吾とキャイーンがミニFM遊びをやってたぞ。

 ミニFMなんて今でこそ「知る人ぞ知る」マニアックなものになってるけど、映画になるくらいだから、そりゃあ大きなムーブメントだったんだよ…。ピークは85年頃だったね。で、そのムーブメントを最初にもたらした第一の使徒は、何と「熊本」に出現したのであった!…。ちなみに作った張本人はワタシ。こんちは種田守倖(通称パラT)です。日本初のミニFMであり九州初のインターネットラジオであるfmcの親玉です。よろしくね!

 で、日本初っちゅうことは、マジでブームの最先端を行ってたっつうわけで、熊本発の超ショボい先端文化であっても「何とかイケちゃうのよね」という先例を作ったのか。サスガ〜!…と自画自賛だけは忘れないでやっておこう。

 熊本のショボさを悲観して福岡や東京に出て行く連中は「熊本に住んでいると新しいことは何にも出来ない…ブツブツ」とよく言うわね。それはある面では決定的な真実であり、またある面では決定的な嘘なんだけど、どうも最近その構図が一気に崩れてきたような気がするのだわ。

 例えば、インターネットだとかのマルチメディアってやつを上手く使いこなせば、東京と熊本の距離なんて全くの「ノープロブレム状態」なわけだし、実際、fmcのヘビーリスナーは日本全国はおろか、ロンドンとかニューヨーク在住という人も沢山いる。

堂々と熊本発のローカルネタを世界に向けて発信してウケてるもんねぇ。だから「熊本在住でぜんぜんオーライなのよ!」…と、ワタシは思うんだな。

 これまで、幾多の個人やグループがヤング欄に登場し「熊本から新しいブームを!」と頑張ったけれど、気が付けば80年代半ばの迫力あったヤング欄ムーブメントの生き残りはfmcと某劇団くらいであろう。

 そんな栄枯盛衰をちょっとだけ回顧しながら、90年代のお若い皆様に、在熊での先端文化エンジョイプランをご提案したり、毒舌を吐いたりしていくこのコーナー。次回お楽しみに!!

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