熊日夕刊「ヤング欄」における自己完結型エッセイ

アメーバ捜査網・第7回「ゲリラでパフォーマンスだ!!」

1998年2月上旬執筆、2月10日掲載

(熊本日日新聞夕刊「ヤング欄」で隔週連載されたコラムです)

 さあ!何かパァーっと目立つパフォーマンスでもやっちゃろう!!と思い立ったものの「はて、どこでやればいいのだろうねぇ?」ということで躊躇してしまうことが実に多い。

 これは熊本に限らず多くの地方都市で見かける、パブリックスペースの薄っぺらな実体に起因するものでありまして、音楽やるにも中途半端。アートするにも中途半端。お笑いやるにも中途半端。という「中途半端のオンパレード」が、若い皆さんの意欲をドンドン削いじゃってるわけです。
 これは都市の訴求力を高めるための緊急課題なのだけれど、偉いおじさん達は全然気付かないんだな。

 実際、うちのfmcだって、ちょっとした公開番組でもやれば、それこそ毒舌とシュールな笑いが好きな人向けにピンポイント攻撃をかけて「ブレイク間違いナシ!」の絶対の自信があるのだけれど、かと言って◯◯会館とか◯◯劇場では大き過ぎるし、ライブハウスってのも系統がちょっと違う、うーん適当なスペースが無いなぁブツブツ…ということで話が中断しちゃうことが多いんですわ。
 でも、そこはそこ。やり方は一つ残されてますよ。そうです「ゲリラ作戦」なのであります。

 もう5年ばかり前だったかな?…やりましたよゲリラ公開生放送。場所は上通りの某空き店鋪の前。しかも初詣の人で賑わう大晦日の深夜から元旦にかけてのアポ無し生放送です。

 寒いわ。好奇の視線にさらされるわ。呼んでもいないのに酔っ払いが自主的に出演してくるわ(笑)で、そりゃあもう散々な目に会いましたよ。
 でも後になって考えてみると、その場にいたスタッフの妙に高くなっていたテンションというかノリみたいなものがとっても印象的かつ貴重な経験でした。
 ゲリラパフォーマンス独特の緊張感が、脳内に快楽物質エンドルフィンを生成させるのかもしれない。

 ともかく、若い奴は、もっと無茶やってもいいような気がする。否やるべき!
 雑踏の真ん中でダベってるだけでは「何にも始まらないし、何も残らない!」
 ただ、ゲリラパフォーマンスの首を自ら絞めることになる違法行為は絶対NGだよ。あくまでシャレで済まされる範囲内でCOOLにキメるのが本当のバランス感覚って奴です。

 いつか同時多発ゲリラ!みたいな連動イベントでも皆でやってみたいね。

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